ペアレントトレーニング33 問題に応じた結果で対処する
2024/03/13
さて、これまで多くの子育てスキルをお伝えしてきましたが、前向き子育てのコツがなんとなくでもお分かりいただけていれば嬉しいです。
前回は、子どもが問題行動を起こしたときに、どのように対応すればいいのかをお伝えしました。
実際に使っていただくことはできているでしょうか。
でも、なかなか、思うようにはいかないのが現実かもしれませんね。
さて、ここで、ある一年生のお子さんをお持ちのお母さんからの相談事例をご紹介します。
お子さんに対しての困りごとは、食事が遅いということでした。
遅くなる理由としては、兄弟でふざけ合っていて、食事に集中できないということで、「お母さんの願いとしては、「とにかく食事を早く済ませてほしい」ということでした。
お子さんには、一定の時間を決めてそれまでに食べ終わるようにといつも約束しているとのことでした。
ある日、夕飯。
約束の時間内(20分)で食べ終えることができず、約束が守れなかったという結果になってしまいました。
食べ終える約束の時間を過ぎたことの罰として、お母さんは、「約束が守れなかったから、『(子どもが)翌日曜日に友だちと遊びに行く』という約束は無し・・」とお子さんに言ったそうです。
お子さんは、当然大泣きしたそうです。
お母さんとしては、“友だちと遊びに行きたければ、きちんとお母さんとの約束を守って早く食事を済ましたらよかったじゃない!“という気持ちです。
ところが、子どもとの食事時間の約束の中では、できなかった時、約束を守れなかった時の罰として、友だちと遊びに行くことができないということまで決めていなかったのです。
そして、そう言われた子どもが大泣きをしたことで、お母さんは、友だちとの遊びの約束については、やめさせるということはなかったそうです。
さて、ここで、クイズです。
このお母さんと子どもの間で交わされた約束は、どうだったでしょう。
子どもは、お母さんの決めた時間内(15分〜20分)で食事を済ますことができるのでしょうか。
時間内で食べ終わることができなかった時の罰として、友だちと遊びに行く約束は無し・・という罰は適切でしょうか。
あなたなら、どのように対応しますか?
子どもへの要求は、家庭の状況や時間帯によっても違ってくると思います。
朝だと夕飯以上に急ぐ必要があるかもしれないし、食事のメニューによっても食べやすさが変わってくるでしょう。
また、好き嫌いや苦手さによっても、食べる速度は変わることが予測されます。
飲み込むのが苦手で、食べるのに時間がかかっているのかもしれません。
そんな状況で、一方的に、ここまでに食べなさい、食べられなかったから、遊びに行けません。
というのは、どうでしょう。
まず、事前に時間内に食べられない場合の約束の決めておかなかったことも、お子さんにとっては納得がいかないでしょう。
親子のいい関係づくりをする必要がないという場合は、別ですが、子どもにも気持ちや思いがあります。
そして、その気持ちを尊重してもらうことで、自分は大切にされている、だから頑張ろうという意欲が湧いてくるのです。
そういう点からも、この方法は、適切だったのだろうかと、私は考えます。
今回のテーマである「問題に応じた結果で対処する」ということは、食事での困りごとに対して、約束を守れないことがあるとしたら、その食事の時に関係することで対応するということです。
例えば、おしゃべりしていて遅くなったとしたら、「5分おしゃべりしないで食べる」とか、気が散ってしまうのであれば、気が散ってしまう要因を取り除いてしまうなどの工夫が必要になるでしょう。
また、おしゃべりで遅くなるのであれば、しゃべっている時に、じっと見つめる大人の態度が必要になるかもしれませんし、分量を減らして、時間内で食べられるようにするなど、いろいろな工夫を考えられるといいですね。
子どもは親の支配のもとで育つと、自分で考えたことはよくないんだ、うまくいかないんだと、自信を持つことができなくなります。
子どもが失敗して傷つかないようにと、「転ばぬ先の杖」ばかりをしていては、子どもはいつも用意された成功の道を歩むことになり、自分で考えることができなくなります。
そして、もしも「転ばぬ先の杖」を親が用意しても、うまくいかないことがあった時、子どもは親がちゃんと用意しなかったせいだと、親を責めるでしょう。
先にご紹介したご家庭のお子さんも、忘れ物をした時、「お母さんがちゃんと用意しなかったから、僕が恥ずかしい思いをした」とお母さんを責めたそうです。
お母さんは、お母さんの思い通りにしたい。
そして子どもは、お母さんの思い通りにする代わりに、責任は母さんに押し付ける。
そんな親子の関係になっているかもしれません。
子どもの問題がどこにあるのか、それを感じるのは親の方かもしれません。
しかし、行動の問題は子ども自身が変わることでしか、解決できません。
ですから、大人は子どもが問題とされる行動をしないように、または、しなくて済むように環境を変えたり、その要因を取り除いたり、大人からの関わり方を変えるという行動を起こす必要があるということです。
そのための方法やコツをお伝えしてきました。
少しでもあなたのお役に建てたとしたら、とても嬉しいです。
あなたにもお悩みがあるとすれば、あなたとお子さんに応じた解決方法があると思います。
そこで、お困りの方は、ぜひ、こちらまでご相談ください。
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子ども発達支援研究員として、保育士として、相談事業にも関わってきた経験を活かして、あなたの子育てをお手伝いします。
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